空とマンホール

出された紅茶を飲みながら鞄の中のバイト情報誌を広げようと思ったけれど、辞めた。心配要因を増やす必要はない。

「うん」

「哲はまたバスケ部に入るって言ってたわよ。結が家にいないと哲の様子も聞けないわね」

「あたしは哲とクラス違うから、詳しいことは知らないよ」

「ねえ、哲のこと嫌いになっちゃった?」

哲ママは、私にとって母親であって女友達みたいな存在。優しくて、時々悪戯な笑みを見せる。

違うよ、ずっと前から、あたしのことを哲が嫌いなんだよ。

「一応年頃の女の子だし、そういうの感じたのかなーって思ったんだけど。違う?」



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