忘れた
男子の壮絶な戦いの後、女子の棒引きが行われた。


運動場に並んだ9本の棒を、両端からものすごい勢いで走ってきた女子たちが引っ張り合う。


1本の棒に群がる女子たちの様子は、まさに修羅場。


その中でも特に目立っていたのが、我らが里美だ。


大声で何かを叫びながらそこら中を駆け回っている。普段から気の強い里美だが、今日は一段と気合が入っているようだ。


男子の後で若干ショボく感じたが、里美を見ているのは面白かった。


結果はうちのクラスの圧勝。そのおかげで青団が大幅にリードしたところで、お昼休憩となった。


「里美すごかったね」


教室でおにぎりを頬張りながら、あたしは言った。


「だって、みんな遠慮してんだもん。キャーキャー言ってさ。

もっと本気でやれって怒ってやった」


「さっすが里美」


あたしたちは笑い合った。

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