忘れた

突然の訪問者




あれから5日。


あの日の出来事は、意外とトラウマになっていたようで。あたしは、ずっと部屋に引きこもっていた。


どこにも出かけたくない。


両親はあたしの異変に気づいていない。だってほとんど家にいないから。


お盆にも仕事が入るなんて、どんだけ忙しいの? そんなに大事な仕事なの? 別にいいけど。


ツクツクボウシが鳴いている。


夏休みも残り1週間。去年に引き続き、今年もこれといって思い出がない。


あーあ。


あたしの高校生活、こんなんで終わっていくのかな。なんか虚しい…


ピンポーン


呼び鈴が鳴った。健斗は今は出かけていて、家はあたし1人だけだ。


仕方なく、あたしは玄関へ向かった。


ガチャ

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