忘れた
それからあたしは、キスされた状況、それを勇介に言ったこと、その後ケンカになったことを話した。


「なるほどね、それで元気がなかったんだ」


「そうなの。それに、なんか体がダルい」


そう言って机に突っ伏すあたし。


「大丈夫? 保健室行く?」


麗が心配そうな顔をして聞いてくる。


「ん、平気。この1週間ずっとこんな感じだから」


笑顔を作って答えると、また無理して笑って、と里美に指摘された。


本当に鋭いんだから、里美は。


「でもさ、あたし、勇介さんが怒ったの、分かる気がする」


と梨沙。


「勇介さんは、奈緒に会いたいんだよ。会いたくて会いたくて、仕方ないの。

なのに奈緒が、会いに来なくていい、電話も毎日じゃなくていいなんて言うから。そりゃ怒るよ」

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