忘れた
勇介と交代で、あたしもシャワーを浴びた。


風呂場を出ると、キッチンダイニングの机の上に、何やら美味しそうな料理が並んでいた。


「うわあ、オムライスだ」


あたしの大好物。


「味の保証はしないけどな」


と言いながらサラダを運んで来る勇介。


「こんなにパパッと出来るもんなんだ。勇介すごい、初めて尊敬するかも」


「初めてって、お前なあ…

1人暮らし長いし、料理ぐらい出来るわ」


苦笑いの勇介をよそに、あたしの目はトロトロのオムライスに釘付けだ。


「食べていい?」


「待て待て、ケチャップかけてやる」


勇介はオムライスの上に、ケチャップでハートマークをかいた。


「愛情たっぷりオムライスなっ」


なんて、恥ずかしいこと言っちゃって。


あたしは顔が熱くなるのを感じた。


「あ、赤くなってら」


「もうっ、勇介、からかわないで」

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