忘れた
勇介が作ったオムライスは、すごく美味しかった。


味の保証はしないっていうのは、照れ隠しだったんだね。


あたしたちは談笑しながら、オムライスとサラダを完食した。


一緒に食器を洗って、一緒に歯磨きをする。


なんだか、新婚さんみたい。


歯磨きを終えると、勇介は押入れから布団を出し、ソファの前にそれを敷いた。


前に来たときは、あたしが布団で勇介はソファで寝たんだった。


今回は、多分…


一緒に布団で寝るんだよね。


っていうか、勇介もう布団の中だし。


「奈緒、おいで」


緊張でカチコチの体をなんとか動かし、あたしは布団の中に入った。


向き合って、見つめ合うあたしたち。


「奈緒、真っ赤。緊張し過ぎ」


「そりゃ、するよ。初めてなんだもん」


そう言うと、勇介は微笑んだ。


「心配すんな。俺に任せれば大丈夫だから」


勇介は体を起こして、あたしの上に覆いかぶさるような大勢になった。

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