忘れた
そこからは、勇介に全てを委ねた。


とは言っても、さっきまでもリードしてもらってたんだけど。


勇介の体温が、直接伝わってくる。


人の体って、こんなに温かいんだ。


勇介はあたしの名前を何度も読んでくれて。


あたしは、すごく幸せだった。愛されるって、こういうことなんだ。


あたし、勇介のことが、こんなに好きだったんだ。


勇介が動くたびに、あたしの口から甘い声が漏れる。


自分の声じゃないみたい。


揺れる視界から、勇介の顔が見えた。苦しそうに顔を歪めている。滲む汗が、とても色っぽい。


大丈夫かな、勇介。


なんて心配する余裕はあたしに無くて、息遣いがどんどん激しくなってくる。


熱い、熱くてたまらない。


絡まる足に力が入る。


一瞬で全身に鳥肌が立った。


そして、身体が波打つような感覚に襲われる。


頭が真っ白になって…


終わったんだと思った。


2人とも、すっかり息が上がっていた。


あたしたちはしばらく、1つになったまま抱き合っていた。

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