忘れた
「勇介、鼻水ついちゃう」
「奈緒のならついてもいいよ」
と俺が言うと、奈緒は俺の胸をパシッと叩いた。
「恥ずかしいこと言わないで」
そんなことを言う奈緒だけど、照れ隠しだって、ちゃんと分かってる。
きっと顔は真っ赤だ。
俺は思わず微笑んだ。
*
次の日の朝。
「勇介、あたし行くからね」
奈緒の声で目が覚めた俺は、急いで玄関へ向かった。
後ろから勢いよく抱きしめる。
「わあっ」
奈緒の反応が可愛くて、離したくなくなってしまう。
「ちょ、勇介、遅刻しちゃ…」
頭だけ振り返った奈緒の、ぷっくりした唇を、俺のそれで優しく塞ぐ。
ドサッとカバンが地面に落ちる音がした。
名残惜しいが、俺のせいで奈緒を遅刻させるわけにはいかない。
俺はゆっくり体を離した。
「行ってらっしゃい」
「い、行ってきます…」
赤面した奈緒は、駆け足で部屋を出て行った。
俺も続いて外へ出る。
俺は、奈緒の自転車が見えなくなるまで見送った。
「奈緒のならついてもいいよ」
と俺が言うと、奈緒は俺の胸をパシッと叩いた。
「恥ずかしいこと言わないで」
そんなことを言う奈緒だけど、照れ隠しだって、ちゃんと分かってる。
きっと顔は真っ赤だ。
俺は思わず微笑んだ。
*
次の日の朝。
「勇介、あたし行くからね」
奈緒の声で目が覚めた俺は、急いで玄関へ向かった。
後ろから勢いよく抱きしめる。
「わあっ」
奈緒の反応が可愛くて、離したくなくなってしまう。
「ちょ、勇介、遅刻しちゃ…」
頭だけ振り返った奈緒の、ぷっくりした唇を、俺のそれで優しく塞ぐ。
ドサッとカバンが地面に落ちる音がした。
名残惜しいが、俺のせいで奈緒を遅刻させるわけにはいかない。
俺はゆっくり体を離した。
「行ってらっしゃい」
「い、行ってきます…」
赤面した奈緒は、駆け足で部屋を出て行った。
俺も続いて外へ出る。
俺は、奈緒の自転車が見えなくなるまで見送った。