忘れた
あたしの部屋に入ると、窓が開けっ放しで冷たい風が入り込んでいた。


「奈緒、もしかして窓開けて俺のこと待ってたの?」


コクリと頷くと、勇介はあたしの髪をくしゃくしゃっと撫でた。


「可愛いなあ、奈緒は」


そんなこと言われると、顔が火照ってきちゃうよ。


「すぐ真っ赤になるところも、可愛い」


そう言って、勇介は窓を閉めに行った。


それからあたしたちは、いつものようにベッドに腰掛け、いつものように笑いあった。


1週間の空白なんて、無かったかのようだ。


そして、勇介から嬉しいお誘いがあった。


「来週の土曜日、丸1日休みが取れたんだ。その日、遊園地行かない?」


あたしはもちろんOK。文字通り、飛び上がって喜んだ。


最後に、バイバイのキス。


勇介は仕事の為、あっという間に帰ってしまった。

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