忘れた

遊園地




その日の夜。


「でね、いきなり背中を叩かれて。早水の奴、あっかんべーしてるの。

もう、意味わかんない。

あたしのこと、好きなの?嫌いなの?

はっきりしなさいよって感じ」


あたしはベットに腰掛けて、ひたすら勇介に、早水の愚痴をぶちまけていた。


「ダンス練習のときも、いちいち女子の方に来て、あたしにだけつっかかってくんの。

下手くそだの、鈍臭いだの言ってきてさ。

鬱陶しいっつーの。

ああ、本当にムカつく」


勇介はあたしの隣で、ふうん、と呟いた。


「あいつ、英Ⅱのテストが返ってきたとき、あたしの勝手に覗いたんだよ?

意外と頭は普通なんだな、とか言ってきて。

じゃあ何、あたしは見た目がバカだって言いたいの?

そのくせ、あいつのは見せてくれないし。

ズルくない?

どうせ、あたしより点数低いん…」


勇介に唇を塞がれ、それ以上は言えなかった。

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