忘れた
「すっげえ、可愛い」


くしゃっとした笑顔で、勇介が言った。


結構嬉しい、かも。


「勇介だってカッコいいよ」


そう言うと、勇介は驚いた顔をした。そして真っ赤になった。


あたしが勇介に、面と向かってカッコいいなんて、初めて言ったね。


なんだか照れ臭くて、あたしはそそくさと勇介の車に乗り込んだ。





「はい、チーズ」


パシャ


「ありがとうございますッ」


あたしは写真を撮ってくれたおばさんにお礼を言って、デジカメを返してもらった。


写真を確認すると、ハロウィンの装飾の前で、笑顔でピースサインをしているあたしたちが写っていた。


遊園地の中は、どこもかしこもカボチャだらけ。


ハロウィン仕様になっていた。


親なしでこういうところに来るの、初めてだ。


しかも、今日はデート。


あたしは舞い上がっていた。

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