忘れた
「勇介、次はあれ乗ろ」


あたしが指差したのは、なんだかいろんな角度にウネウネと曲がったレールがそびえ立つ、ジェットコースター。


「おし、行くかッ」


はしゃぎまくるあたしに、勇介は1度も文句を言わない。


あたしがあれ乗りたい、と言ったら必ず一緒に乗ってくれる。


あたしと一緒になってはしゃいでいた。


勇介も楽しんでいるようで、あたしは嬉しかった。


行列を並ぶこと、1時間。


緊張しながらコースターに乗り込むあたしたち。


「怖いのかあ? 」


バカにしたような、勇介の声。


「怖くないもん」


といいつつ、ちょっと不安になってきた。


するとコースターは動き出した。


徐々に上がっていくコースター。斜めになる体。小さくなる景色。


そして…


一気に落下!


あたしは始終、叫んでいたような気がする。


コースターは、予測不可能な動きであたしを恐怖に陥れる。


でも、でも、楽しい!

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