忘れた
「また明日」


そう言って、勇介の車は行ってしまった。


バイバイのキス、お母さんとお父さんに見られちゃってたらしい。


あと健斗にも。


帰りが遅くなることは言ってあったからいいけど、彼氏がいることは言ってなかったから、2人ともビックリしてた。


でも、反対はされなかったから、ホッとした。


健斗に散々からかわれたが、軽く流せるほど、気分が良かった。


浮かれ気分のまま、あたしは眠りについた。


勇介のことを考えながら。


明日も会えると思いながら。





次の日。


夜の10時になっても、勇介はあたしの家に来なかった。


いつもは9時ちょっと過ぎには来てくれるのに。


遅くなるときは、電話もくれるのに。


今日は何の連絡も無い。


あたしは不安になって、勇介に電話をかけた。


『ただいま電波の届かないところにあるか、電源が切られている為…』

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