忘れた
「勇介に、会えますか?」
ダメもとで聞いてみる。
女性は、首を横に振った。
「あたしは勇介の母親の、松葉 洋子(まつば ようこ)です。わざわざ来てくれてありがとうね」
洋子さんによると、勇介が事故にあったのは3日前の夜。あたしと遊園地に行った日だ。
あたしを家に送り届けた後、信号無視した乗用車と正面衝突したそうだ。
手術で一命は取りとめたものの、目が覚めるかどうかは分からないらしい。
あたしはショックで涙が出てきた。銀色の扉に駆け寄って、手を付いた。
この中に、勇介がいるんだよね。
会いたいよ…
そんなあたしを、洋子さんが後ろから抱きしめてくれた。
あたしたちは、声を上げて泣いた。
勇介、勇介、勇介、勇介。
目を覚まして。
お願いだから。
*
それから3日後、勇介が一般病棟に移されたと、洋子さんからメールを貰った。
あたしは学校が終わると、その日もダンス練習をサボって、大急ぎで勇介の元へ向かった。
ダメもとで聞いてみる。
女性は、首を横に振った。
「あたしは勇介の母親の、松葉 洋子(まつば ようこ)です。わざわざ来てくれてありがとうね」
洋子さんによると、勇介が事故にあったのは3日前の夜。あたしと遊園地に行った日だ。
あたしを家に送り届けた後、信号無視した乗用車と正面衝突したそうだ。
手術で一命は取りとめたものの、目が覚めるかどうかは分からないらしい。
あたしはショックで涙が出てきた。銀色の扉に駆け寄って、手を付いた。
この中に、勇介がいるんだよね。
会いたいよ…
そんなあたしを、洋子さんが後ろから抱きしめてくれた。
あたしたちは、声を上げて泣いた。
勇介、勇介、勇介、勇介。
目を覚まして。
お願いだから。
*
それから3日後、勇介が一般病棟に移されたと、洋子さんからメールを貰った。
あたしは学校が終わると、その日もダンス練習をサボって、大急ぎで勇介の元へ向かった。