忘れた
それからあたしは、出来る限り病院へ通った。
ダンス練習はもうサボれないので、勇介に会いに行くのはダンス練習が休みの日や、土日に限られた。
病室には勇介のバイト仲間がいることもあり、あたしは彼らと顔見知りになった。
暗闇の中を自転車で走るのは怖いけど、勇介に会いたいという気持ちで、乗り越えられた。
今日は洋子さんはいない。
病室にはあたし1人だ。
「勇介。 今日はね、体育でバレーをしたの。あたし、みんなに上手だねって言われちゃった。
男子と半分ずつ体育館を使っててさ、あの早水まで、まあまあだな、とか言っちゃって…」
あ、勇介は早水の話をされるのが嫌なんだよね。
「ごめん、早水の話なんて」
勇介の反応は無い。
「勇介? あたし、早水の話してるんだよ? 怒らないの?」
勇介は黙ったままだ。
「勇介…返事してよ」
涙がポロポロこぼれる。
自分の非力さを呪った。
ダンス練習はもうサボれないので、勇介に会いに行くのはダンス練習が休みの日や、土日に限られた。
病室には勇介のバイト仲間がいることもあり、あたしは彼らと顔見知りになった。
暗闇の中を自転車で走るのは怖いけど、勇介に会いたいという気持ちで、乗り越えられた。
今日は洋子さんはいない。
病室にはあたし1人だ。
「勇介。 今日はね、体育でバレーをしたの。あたし、みんなに上手だねって言われちゃった。
男子と半分ずつ体育館を使っててさ、あの早水まで、まあまあだな、とか言っちゃって…」
あ、勇介は早水の話をされるのが嫌なんだよね。
「ごめん、早水の話なんて」
勇介の反応は無い。
「勇介? あたし、早水の話してるんだよ? 怒らないの?」
勇介は黙ったままだ。
「勇介…返事してよ」
涙がポロポロこぼれる。
自分の非力さを呪った。