忘れた
「ああ…元カノ。前付き合ってて、もう別れたらしい。

全然覚えてないけど。

その子、奈緒っていうんだ」


「ふうん。じゃあ、待ち受け変えたら?」


「やり方が分からない」


「俺が変えてやるよ」


俺は太一に、ロック画面の写真を変えてもらった。


画面を見せてもらう。


ダイナミックな波の写真だ。


その画面を見たとき…


俺に、不思議な感情が芽生えた。


寂しいような、悲しいような。


なぜだろう。


そのときは、よく分からなかった。


それから太一は、高校時代の友人たちの近況を話して聞かせてくれた。


みんな、立派な社会人になっていた。


「なんか…信じらんねえ。

俺、まだ高校生の気分だし。

お前のことだって、同い年とは思えねえよ」


俺は驚きを隠せなかった。

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