忘れた

体育館裏へ

体育館に到着し、出席番号順に椅子に座るあたしたち。


あたしは東なので、出席番号1番だ。


ということは、1番前の椅子に着席することになる。


ステージがよく見える、特等席だ。


ざわつく体育館。となりは喋ったことのない男子なので、居心地が悪かった。


後ろを振り返ると、麗と里美と舞花が横並びで座っていた。


金井、岸、楠。


かきく、だから、出席番号が連続しているのだ。


いいなあ。


そんなあたしに気づき、3人は手を振ってくれた。


ちょっと嬉しくなって、手を振り返そうとした、そのとき。体育館の照明が一気に落ちた。


始まるのかな…?


徐々に静かになる体育館。


そして、マイクで拡張された男の声が響き渡る。


「レディースアンド、ジェントルマン。

我が校の文化祭が、まもなく始まります。まずは、こちらをご覧ください」


ステージ上の大きなスクリーンに、映像が映し出された。

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