忘れた
緊張気味にお辞儀をする早水。


そして、早水は床に片手をついた。


床に片手、足を開いてそのままキープ。


したかと思うと、手をついたり離したりしながら、体を回転させる。


早水は、次々とブレイクダンスを披露し始めたのだ。


思わず見入ってしまう。


『うちのクラス…ダンス、やります』


息を切らしながら、早水はしっかり宣伝した。


ワァーッ、と、一段と盛り上がる体育館。


ブザーが鳴って、次のクラスにバトンタッチしてからも、ザワザワは収まることがなかった。


早水…すごい。


ダンス、こんなに得意だったんだ。


20秒コールが終わると、今度はバンドが始まるようだ。


参加希望の人たちが、自由に出し物を披露する時間だ。


あたしたちのクラスの発表はお昼の1時から。


今は9時半なので、あと3時間半ある。


すると、トントンと肩を叩かれた。


「東」

暗くてはっきり見えないけど、この声は早水だ。

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