忘れた

ダンス発表

割り勘で買ったチュチュスカートに着替えて、あたしたちは体育館に戻った。


クラスの女子全員、色とりどりのカラフルなチュチュスカートを履いていた。


男子は、黒地に金色のラインが入ったカッコいいジャージを履いていた。


上はみんなでおそろいの、文化祭Tシャツ。


あたしたちは、ステージの舞台裏に左右に分かれて、出番を待った。


そしていよいよ、あたしたちのクラスの出番だ。


まずは女子がステージに飛び出した。


出て行くとき男子が背中を押してくれて、ちょっぴり嬉しかった。


カッコいいKポップの音楽に合わせて、必死で覚えた振り付けを踊る。


ステージが眩しすぎて、暗闇に向かって踊っているような感覚だった。


誰かに見られている、という感覚が捨てられて、緊張せずに済んだ。


カラフルな色のライトに照らされ、汗をにじませながら、あたしたちは最後まで踊り切った。


女子が両脇にはけると、続いて男子がステージに出て行った。

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