忘れた
元カノ
*
そんな早水を勇介の前に連れて行ったら、何を言い出すか分かったもんじゃない。
それだけは阻止したかったのだが。
「このまままっすぐでいいの?
曲がるとき早めに言えよ」
現在、早水とあたしは自転車に2人乗りで、勇介の病院へ向かっている。
「次の交差点、右」
「オッケー」
なぜなら、あたしは早水に借りがあったから。
あのとき、借りは返すって言ったよな?だったらさ、お前の彼氏に会わせて。それで借りはチャラ。
そう言われて、断れなかった。
文化祭から一夜明けた今日は、土曜日。
学校で昼の2時に待ち合わせして、そこから一緒に病院へ行くことになってしまった。
休みの日まで、早水と一緒なんて。
ああ、やだやだ。
「何が嫌だって?」
前を向いたまま、早水が怒り気味に言った。
心の声が口に出ていたようだ。あたしは慌てて誤魔化した。
「寒くて嫌だなって思っただけ」
「あそ。そりゃ寒いよ。もうすぐ12月だし」
そんな早水を勇介の前に連れて行ったら、何を言い出すか分かったもんじゃない。
それだけは阻止したかったのだが。
「このまままっすぐでいいの?
曲がるとき早めに言えよ」
現在、早水とあたしは自転車に2人乗りで、勇介の病院へ向かっている。
「次の交差点、右」
「オッケー」
なぜなら、あたしは早水に借りがあったから。
あのとき、借りは返すって言ったよな?だったらさ、お前の彼氏に会わせて。それで借りはチャラ。
そう言われて、断れなかった。
文化祭から一夜明けた今日は、土曜日。
学校で昼の2時に待ち合わせして、そこから一緒に病院へ行くことになってしまった。
休みの日まで、早水と一緒なんて。
ああ、やだやだ。
「何が嫌だって?」
前を向いたまま、早水が怒り気味に言った。
心の声が口に出ていたようだ。あたしは慌てて誤魔化した。
「寒くて嫌だなって思っただけ」
「あそ。そりゃ寒いよ。もうすぐ12月だし」