忘れた
「友達だよ。奈緒は。

っていうかさ、俺今そういう浮かれた気分になれねえんだわ。

高1から付き合ってたやつに振られたばっかで、しかも姉ちゃんが死んだって聞かされたばっかでさ」


だから、もう帰れ。


俺は目だけでドアをチラッと見る。


「お前、じゃあもう東に関わんなッ」


そう叫ぶと、聡は立ち上がりドスドスと音を立てて病室を出て行った。


関わるなって言われても…


奈緒の方から来るものはしょうがなくねえか?


俺は深くため息をついた。


今は自分のことしか考えられない。

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