忘れた
あたしたちの他にも、会場に残っている人はチラホラいた。


きっと、バンドメンバーの彼女さんだろうな。みんな女の子だから。


しばらく待っていると、3人の男性を引き連れた開さんが、あたしたちの元へとやってきた。


「奈緒ちゃん、久しぶりやな。来てくれてありがと。

こっちの子は名前なんていうの?」


梨沙の方を見ながら、開さんは訊いた。


「あっ、結城です。結城 梨沙。

ライブすごかったです。もう感動でしたよッ」


すかさず、梨沙が興奮気味に言った。


そんな梨沙に、開さんは照れ笑いを浮かべた。


「ありがとね。あ、こいつらはバンドメンバーの…

はじめ、シバ。それとあっくん。

他にもいるんやけど、もう帰ってまってさ」


開さんに紹介された3人は、ぺこりと会釈をした。


3人とも、あたしよりも背が高い。


とくに、あっくんという人はズバ抜けていた。


180…いや、190はありそうだ。

< 237 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop