忘れた
*
気づけば、あたしは泣きながら話していた。勇介は1度も口を挟まず、真剣に話を聞いてくれた。
「今でも時々、瑠衣や他のみんなの声が聞こえるの。
あの頃言われたことを忘れることができないみたい。
そのたびに悲しくなって、涙が出るの」
そう言って、あたしはハンカチで顔を隠した。
「奈緒…」
勇介が口を開いた。
「デザート食う?」
このタイミングで、デザート? あたしは思わず吹き出してしまった。
もっと他に言うことないんかいッ
あたしは勝手に、同情されるものだと思っていた。
泣きながら笑うあたしを見て、勇介は困った顔をした。
「俺、何か変なこと言ったか?」
「別にッ。食べよ食べよ、やけ食いよッ」
気づけば、あたしは泣きながら話していた。勇介は1度も口を挟まず、真剣に話を聞いてくれた。
「今でも時々、瑠衣や他のみんなの声が聞こえるの。
あの頃言われたことを忘れることができないみたい。
そのたびに悲しくなって、涙が出るの」
そう言って、あたしはハンカチで顔を隠した。
「奈緒…」
勇介が口を開いた。
「デザート食う?」
このタイミングで、デザート? あたしは思わず吹き出してしまった。
もっと他に言うことないんかいッ
あたしは勝手に、同情されるものだと思っていた。
泣きながら笑うあたしを見て、勇介は困った顔をした。
「俺、何か変なこと言ったか?」
「別にッ。食べよ食べよ、やけ食いよッ」