忘れた
あっくんに続いて、ゾロゾロと部屋に入るあたしたち。


「お邪魔しまーす…」


家具、壁が白で統一された、お洒落な部屋だ。


勇介のアパートとは違って、きれいに片付いていて、とても広い。


キョロキョロと部屋を見渡していると、奥の部屋から小柄な女の人が現れた。


「あっくんおかえり。

あら、初めましてが2人いるわ」


な、なんて可愛らしい人なんだろう。もしかして、あっくんのお姉さん…?


「この人、うちの姉ちゃん」


あっくんが、あたしと梨沙に向かって言った。


「あ、ど、どうもこんにちは。

結城 梨沙と東 奈緒と申します、この度はいきなりお邪魔してしまって…」


恐縮するあたしに、あっくんのお姉さんは吹き出した。


「ふふ、梨沙ちゃんに奈緒ちゃんね。

あたしは立花 香。弟と仲良くしてやってね」


かおり…


まさか、ね。


かおりっていう名前の人は、勇介の元カノ以外にも沢山いるでしょ。

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