忘れた
香さんが料理を作ってくれるというので、あたしと梨沙は夕飯を頂くことにした。


その間、皆でトランプをやったり、テレビゲームをしたりした。


そんな遊びもひと段落ついて、それぞれがケータイをいじり始めた頃。


唐突に、はじめさんが言った。


「にしてもさあ。やっぱ可愛いよな、香さん」


うんうん、と頷くシバさん。


「あっくんもそう思うだろ?」


「知らねえ」


あっくんはそう言って、そっぽを向いた。


「でた、知らねえ。いっつもそれだよ」


はじめさんとシバさんは、ケラケラと笑った。


「っていうか、開の奴はどこ行ったんだよ」


あっくんが言った。


そういえば…


「梨沙もいない…」


「えー、いつの間に? 」


あたしは梨沙に電話をかけてみた。


プルルルル…


プルルルル…


「梨沙出ないんですけど」


あたしが言うと、皆はハハハと呆れたように笑った。

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