忘れた
それからあたしたちは大量のデザートを注文して、お互い競い合うようにして食べまくった。


勇介の食べっぷりは豪快で、見ていて面白かった。


「あー、もう無理。限界」


「奈緒は少食だな」


勇介はくしゃっと笑った。


あたしが少食なんじゃなくて、あんたが大食いなんだっつーの。


…とは言わないでおいた。





結局あたしたちがファミレスを後にしたのは、2時間近く経ってからのことだった。


勇介は色々な話をしてくれた。あたしは可笑しくて、いつの間にか涙が止まっていた。


会計は全部、勇介が払ってくれた。


と言っても、ほとんど勇介の分なんだけど。


そしてあたしたちはまた、2人乗りをして道を走っていた。


「ねえ、奈緒」


「なにー?」


「言っとくけど、奈緒はキモくないしブスでもない」


「え?」


「すっげー、美人」

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