忘れた
最後に部屋に残ったのは、あたし、勇介、健斗の3人。


健斗はバツの悪そうな顔で、あたしと勇介を交互に見上げている。


と、健斗が口を開いた。


「姉ちゃん、この人と付き合ってんの?」


ええ? あたしとこのイケメンが?


ありえないッ


そんなの、勇介に失礼だよ。


慌てて否定しようとあたしが口を開く前に、勇介はとんでもないことを言い出した。


「そうだよっ。俺は松葉 勇介。よろしくな、弟よ」


嘘でしょ?


あたしが固まっていると、健斗は興奮気味に言った。


「まじっすか、お兄さんッ

俺、健斗っていいます。姉ちゃんをよろしくお願いします」


…勝手にお願いされてしまった。

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