忘れた



「次は、ちょっと体動かすぞ」


勇介は運転しながら、あたしに言った。


「えっ、あんなに食べた後で大丈夫?」


「あ、そっか。奈緒、気持ち悪くなっちゃうよな」


勇介は、しまった、と言って自分の頬を叩いた。


「え? あたしは平気だけど。心配なのは勇介だよ。あんなにガツガツ食べてたから」


ケロッと答えると勇介はホッとした様子で、よかった、と言った。


「俺も、気持ち悪くならない派なんだよ。次の目的地どうしようかと思った」


派、だって。変なの。


「勇介って、時々面白いこと言うよね」


あたしが笑いながら言うと、勇介はそうか?と言って顎をポリポリかいた。


「そういえば、奈緒の学校っていつから始まるの?」

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