忘れた
*
家に着くと、車の音に気づいたのか、2階の窓が空いて健斗が顔を覗かせた。
「お兄さーんッ」
満面の笑みで手を振る健斗。
「おーい、弟ッ」
車から降りてきた勇介も、笑顔で手を振り返す。
そんな2人が可笑しくて、ついついあたしも笑顔になる。
昨日、健斗は家に友達を呼ばなかった。今日も健斗は1人のようだ。きっと、勇介のおかげだと思う。
「姉ちゃんとのデートはどうでしたかー?」
ちょっとちょっと、何言ってんの。そんな大声で。
「あたしたちは、そういうんじゃ…」
「最高だったよーッ」
あたしの声に被せて、勇介は答えた。
眉間にシワを寄せて、勇介を睨む。
「ちょっと。何適当なこと言ってんの?もうここは正直に話そうよ」
すると勇介はいたずらっ子のよう目であたしを見て、
「また電話する」
と意味深なセリフを残して車に乗り込み、さっさと行ってしまった。
家に着くと、車の音に気づいたのか、2階の窓が空いて健斗が顔を覗かせた。
「お兄さーんッ」
満面の笑みで手を振る健斗。
「おーい、弟ッ」
車から降りてきた勇介も、笑顔で手を振り返す。
そんな2人が可笑しくて、ついついあたしも笑顔になる。
昨日、健斗は家に友達を呼ばなかった。今日も健斗は1人のようだ。きっと、勇介のおかげだと思う。
「姉ちゃんとのデートはどうでしたかー?」
ちょっとちょっと、何言ってんの。そんな大声で。
「あたしたちは、そういうんじゃ…」
「最高だったよーッ」
あたしの声に被せて、勇介は答えた。
眉間にシワを寄せて、勇介を睨む。
「ちょっと。何適当なこと言ってんの?もうここは正直に話そうよ」
すると勇介はいたずらっ子のよう目であたしを見て、
「また電話する」
と意味深なセリフを残して車に乗り込み、さっさと行ってしまった。