忘れた
「迷惑だなんて、とんっでもないッ」


3人は口を揃えて言った。


「みんな呼び捨てでいいからね」


「あたしたちも奈緒って呼ばせて」


「本当に綺麗だよね」


「細いし背高いし、モデルみたい」


次から次へと言葉が飛び交う中、あたしは目をパチパチさせて、優しい4人を見つめていた。





あたしは今日のことを報告したくて、家に帰るとすぐに勇介に電話をかけたが、留守電だった。


そして夜の9時。勇介から電話がかかってきた。


『奈緒、今日どうだった?』


あたしは舞花たちと友達になったことや、クラスの男子に囲まれたことなどを、ウキウキしながら話した。


だけど、恥ずかしいから美人だと言われたことだけは内緒にした。


『そっかー、よかったなあ』


よかったよかった、と何度も繰り返し、勇介はまるで自分のことのように喜んでくれた。

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