忘れた
「明日が楽しみだなあ」


あたしがそう言うと、勇介は笑った。


『そりゃ、いいことだ』





次の日。


あたしが教室に入ると、舞花が気づいて手を振ってくれた。


「奈緒、おっはよー」


「おはよ」


あたしも手を振り返す。席に着くと、舞花は体を後ろに向けた。


「昨日、どうだった?」


「え? なにが?」


キョトンとするあたし。


「なにが? じゃないよ。昨日男子たちと、連絡先交換してたじゃん。

メールとか電話とか、いっぱいきたんでしょ?」


舞花は興味津々だ。


「ああ、そのこと」


あたしは自分の携帯を取り出して受信メールを開き、舞花に見せた。


「よろしくねっていうメールが何人かからきただけだよ」


「ふーん。みんな恥ずかしがってんのかなあ」


あたしの携帯をスクロールしながら舞花は呟いた。

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