忘れた
「え、なんで?」


あたしの問いに、舞花はやれやれと首を横に振った。


「お?」


舞花はスクロールする手を止めて、画面を凝視する。


そして、ニヤニヤしながら言った。


「松葉 勇介って、奈緒の彼氏?」


「ええッ?」


思わず素っ頓狂な声が出る。


「メール、この人ばっかだね」


「いやいや、勇介はそういうんじゃなくて、ただの友達だよ」


慌てて弁解する。


「ふーん? これがただの友達がするメールかな?」


そう言ってあたしに画面を見せる舞花。そこには開かれた1通のメールが。


“奈緒は美人だし、可愛いよ

だから自信もて!”


「ああーッ、ダメだよ勝手に見ちゃ」


赤面するあたしを見て、舞花は意味深な笑みを浮かべた。

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