忘れた
「勇介はこういう冗談をよく言うの」


「ふうん。冗談じゃなさそうだけどね。それに奈緒は本当に美人だし」


「もういいって。そういうの」


すると舞花は真顔に戻って、あたしを覗き込んだ。


「奈緒は謙虚だね。分かった、もう言わないよ。

じゃあ、この勇介って人のこと詳しく教えてほしいな」


あたしは勇介との出会いや、一緒に出かけたことを掻い摘んで話した。


あたしが襲われたと聞いて、舞花は驚いていた。


「大変だったんだね。それで、毎日電話とかしてるんだ。

で、奈緒はこの人のこと、男としてどう思ってるの?」


「お、男として?」


勇介のことはカッコいいと思うし、優しくていい人だけど、男としては見てなかった気がする。


ほっぺにチューされたときはドキドキしたけど…


それを伝えると、舞花は目を丸くした。


「ほっぺにチュー?」


「なになに、何の話?」


するとそこへ里美と麗と梨沙がやって来た。


あたしはまた最初から説明する羽目になった。

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