忘れた
早水の顔に、一瞬だけハテナが浮かぶ。
そして、プッと吹き出した。
「東は俺の名前、覚えてなかったんだな」
「いやいや、ちゃんと覚えてた。呼び捨てでいいっていうのも覚えてたし」
あたしは言い張る。
「そ? まあいいや。じゃあ改めて、俺は早水 聡(はやみず さとし)」
早水は、ニッと目を細めて笑った。
「あ、あたしは東 奈緒」
「知ってる」
「そ、そっか」
さっき東って呼ばれたんだった。
「っていうか、夏休み明けてから、急に喋るようになったんだな」
ああ、あたしのことね。
「うん、夏の間に色々あってさ」
「ふーん。なんか、東の声聞くの久しぶり過ぎて、変な感じ」
「そう?」
喋っているうちに、あたしは速水に対して警戒心が薄れていった。
それにしても速水は、よく笑う。
つられてこっちまで笑顔になる。
そして、プッと吹き出した。
「東は俺の名前、覚えてなかったんだな」
「いやいや、ちゃんと覚えてた。呼び捨てでいいっていうのも覚えてたし」
あたしは言い張る。
「そ? まあいいや。じゃあ改めて、俺は早水 聡(はやみず さとし)」
早水は、ニッと目を細めて笑った。
「あ、あたしは東 奈緒」
「知ってる」
「そ、そっか」
さっき東って呼ばれたんだった。
「っていうか、夏休み明けてから、急に喋るようになったんだな」
ああ、あたしのことね。
「うん、夏の間に色々あってさ」
「ふーん。なんか、東の声聞くの久しぶり過ぎて、変な感じ」
「そう?」
喋っているうちに、あたしは速水に対して警戒心が薄れていった。
それにしても速水は、よく笑う。
つられてこっちまで笑顔になる。