忘れた
「大丈夫だって。あたしは勇介を男として見てないし、勇介だってあたしのこと妹みたいだって言ってたもん。

第一、9つも離れてるんだよ?あたしなんか恋愛対象じゃないよ」


あたしは笑って言った。


「勇介とはしょっちゅうメールしてるし、お兄ちゃんっていうより親友って感じなんだ」


って、あれ? 心配してるのって、梨沙だけ?


他のみんなはニヤニヤしながら目配せしていた。


「ちょっと、聞いてる?」


「聞いてる聞いてる。それより、早く電話したら?」


里美に促され、あたしは勇介に電話をかけた。


コール音が流れる。1回、2回、3回…


仕事中かな? と思ったその時。


『もしもし? 奈緒、どした?』


「あ、勇介。今大丈夫?」


『大丈夫。バイトの休憩中』


「そっか、よかった。あのさ、今日泊まりに行ってもいい?」

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