忘れた
『はあッ？』


勇介が素っ頓狂な大声を出した。びっくりしてあたしは思わず携帯を耳から遠ざける。


「あのね、今日、健斗の彼女がうちに来るの。それであたし、邪魔じゃん？ だから」


間をおいて説明すると、勇介は困ったように言った。


『それなら舞花ちゃんとか、他の友達の家は？』


「みんな都合が悪いの。あ、迷惑ならいいんだよ」


勇介はしばらくブツブツ呟いた。そして、


『しゃーねーな。部屋汚なくても文句言うなよ』


「やったーッ」


こうして今日、あたしは勇介の家に泊まることが決まった。


＊


放課後。


「明日、報告楽しみにしてるよーっ」


「そんなんじゃないってばー」


舞花に手を振り、あたしは学校を後にした。

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