忘れた
家の玄関を開けると、そこには見慣れない小さなローファーが並べられていた。


ははーん。例の彼女か。


「ただいまー、健斗いる?」


バタバタと階段をおりてきた健斗の後ろに、彼女らしき人影が見えた。


「えっと…俺の彼女」


真っ赤になりながら健斗は言った。


「永井 笑(ながい えみ)です」


そう言って、笑ちゃんはペコリと頭を下げた。


笑ちゃんは、とっても可愛らしい子だった。小柄で、目がパッチリしていて、緩めの三つ編みが最高に似合っていた。


「姉の奈緒です。健斗にはもったいないくらい可愛い子だね」


「うるせえ」


それから2人の馴れ初めをちょこっと聞いたりして、あたしは自分の部屋に向かった。


健斗には、ああ言ったけど、2人はとってもお似合いだよ。身長もいい感じだし、2人とも笑顔がそっくりだから。

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