忘れた
「じゃあ、DVD見ようよ。…これなんかどう?」


あたしは散らばっていたDVDの中から適当に1つ、手に取った。


「人妻温泉2泊…」


「あーーーッ」


タイトルを読み終えないうちに、勇介にDVDを奪い取られてしまった。


「全部しまったはずなのに…」


「なんか言った?」


勇介はブンブンと首を横に振り、DVDを押入れに放った。


「うーん、じゃあこれ」


次にあたしは、よく分からない洋画のDVDを勇介に渡した。


「ああ、これ友達に借りたやつだ。暇だし、見るか」


勇介はDVDをセットし、あたしの横に座った。


この後、あたしはこのDVDを選んだことをひどく後悔することになる。

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