忘れた

本番




「で? その後は?」


「何にもないよ」


そう言って、あたしはパクッと玉子焼きを頬張った。


あたしの言葉に、落胆する女子たち4人。舞花、里美、麗、梨沙だ。


あたしは彼女たちに、昨日あった一部始終を報告した。


「ご飯食べて、テレビ見て、ちょっと喋って、寝た」


「もちろん一緒に寝たんだよね?」


と舞花。


「ううん、別だよ。あたしは一緒に寝よって言ったんだけど、勇介がね、理性飛ぶからって断られちゃった」


照れながら言うと里美が、飛んじゃえばよかったのに、と呟いた。


「だって好き同士で付き合ってるなら、いいんじゃないの?」


「あたしもそう思う」


梨沙が賛同する。


「梨沙まで…あんなに心配してくれたじゃんか」


「あたしが心配だったのは、無理やりされるんじゃないかってこと。

奈緒が好きならあたしは止めないよ」

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