忘れた
「はあ? ないない。それは断じて」


「絶対そうだよ。好きな子に意地悪するタイプだ。

でも残念だね、早水の奴。奈緒には勇介さんがいるもん」


ふふふと微笑む麗。


「ちょっと、からかわないでよ」


麗のバカ。変なこと言わないでよ。





6限目。LHR。


前半に綱引き、後半に大縄の練習をするらしい。


結局、男女別の種目は1度も練習しないことになる。つまり、ぶっつけ本番だ。


この事実に、棒引きに出場する舞花と里美は大いに喜んでいた。


綱引きは5人とも出場しないので、この空き時間はガールズトークが出来る。


あたしたちは日陰に集まった。


話題は明日の髪型について。みんなでお揃いにしようということでまとまった。


「嬉しいなあ、お揃いなんて」


ニコニコしながらあたしが言うと、みんなは、そうだね、と言って笑った。

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