忘れた
「行ってらっしゃーい」


梨沙と別れ、あたしは麗と大縄の練習場所へ向かった。


「せーのっ」


「いち、にー、さんっ」


あー、と落胆の声が上がる。誰かが引っかかったらしい。


その後も何回か練習を続けるが、今日はみんなも調子が悪いようで、5回すら続かなかった。


その失敗の内の1回は、あたしのせいだ。


気を引き締めて、頑張ろう。


「せーのっ」


「いちっ」


やばい、あたしがまた引っかけてしまった。これで2回目。


「本当にごめんなさい」


「また東さん? もう、いい加減にしてよね」


そう文句を言ったのは、学級委員の日下(くさか)さん。


まるで、今までの失敗が全部あたしのせいみたいな言い方だ。


「みんなも、またかよって思ってんでしょ」


クラスのみんなに語りかける日下さん。

< 96 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop