忘れた
*
体育祭当日。秋晴れの透き通った青空が広がっていて、まさに体育祭日和。
「はい、出来た。ポニーテールは自分で出来るよね? じゃあ最後、奈緒」
「はーい」
麗に背を向けて座るあたし。やっとあたしの番が回ってきた。
みんな、編み込みは、手先が器用な麗に任せることにしたのだ。
鏡を手に、麗があたしの髪を編み込む様子を観察する。
麗は、スッスッとあたしの髪を自在に操り、あっという間に両サイドの編み込みを完成させた。
「ありがと、麗」
「いえいえ」
普段はおっとりしている麗だが、今日はなんだか頼もしく見える。
あたしたちの右腕には、青ペンで書かれた“必勝”の2文字。
これもお揃い。嬉しいな。
「今日は勇介さん来るの?」
ポニーテールをしながら舞花が訊く。
「来ないよ。仕事だって」
「そっか。残念だなあ」
肩を落とす舞花。
「いいのいいの。今日は頑張ろうね、青団優勝ッ」
あたしは明るく言った。
体育祭当日。秋晴れの透き通った青空が広がっていて、まさに体育祭日和。
「はい、出来た。ポニーテールは自分で出来るよね? じゃあ最後、奈緒」
「はーい」
麗に背を向けて座るあたし。やっとあたしの番が回ってきた。
みんな、編み込みは、手先が器用な麗に任せることにしたのだ。
鏡を手に、麗があたしの髪を編み込む様子を観察する。
麗は、スッスッとあたしの髪を自在に操り、あっという間に両サイドの編み込みを完成させた。
「ありがと、麗」
「いえいえ」
普段はおっとりしている麗だが、今日はなんだか頼もしく見える。
あたしたちの右腕には、青ペンで書かれた“必勝”の2文字。
これもお揃い。嬉しいな。
「今日は勇介さん来るの?」
ポニーテールをしながら舞花が訊く。
「来ないよ。仕事だって」
「そっか。残念だなあ」
肩を落とす舞花。
「いいのいいの。今日は頑張ろうね、青団優勝ッ」
あたしは明るく言った。