想いの残り火
吠えもしない犬
……………………。
………………ん……。
「……あれ、寝てた?」
返事は何も返ってこない。
周りを見渡すと、どうやら残っているのは
俺一人らしい。
放課後。高校二年になって二ヶ月が過ぎようとしている日の教室だ。
気がつけばもう絶対下校時間を迎えようとしていて、外は夕焼けが見え始めている。
「なんというか、誰も起こしに来てくれないのか」