想いの残り火
履き替えるときにさっきまで見ていた夢を思い出した。
ずっと二人で。
ずっととか言う言葉はあっても、現実にはないと思い知るのにそう長くはかからなかった。
今時は小学生にでもなればその事を大体理解できる。高校生は言わずもがなだ。
「ずっとって、あんなに短い期間のことだっけかな」
昔のこと、具体的に言えば八年前のことを思い出してももう今更だ。どうしようもない。
「帰ろう」
考えを吹っ切る意味で呟いた。今日は一緒に帰るやつもいないし、のんびり帰ろう。