幸せを、君に。
天野は自分から話すようなタイプじゃないから話も弾まないし…。
最悪だった。
思えばそれきり、彼氏・彼女らしいことなんて一つもやらなかった。
会社で会って、仕事で少し話して…
それだけだった。
一緒に帰ったことはおろか、電話やメールで話したことすらない。
本当に付き合ってるのか?
今までのことは全部、夢だったんじゃないのか?
そう考えたが、ちょくちょくくるデートの誘いのメールや、『一緒に帰りませんか?』というメールを見て、まだあいつは付き合ってるつもりなんだと確信した。