幸せを、君に。


天野が俺のところへ来たのは14時を回ったくらいだった。


「あ、あの…」


「なに?今忙しいんだけど。」


コーヒーを口にしながら悪態をつく。


明らかに忙しそうには見えないだろうし、事実、仕事も一段落ついたところだった。


「私、今日付けで退社を…」


「知ってる。部長から聞いた。

で、話ってそれだけ?」




< 90 / 259 >

この作品をシェア

pagetop