一生モテ期



「そろそろ帰るかー」

放課後、混み合う玄関が苦手で

いつも俺と雄介は時間をずらして帰る。


今日も同じように教室をあとにしようとした

すると

「れ・ん?あっいた」

「わぁああひっさしぶり~実紅(みく)ちゃん!」

「あっ雄介君ひさしぶり!」


教室に入ってきたのは留学を機に別れた

元彼の実紅だった。


「どうした?」

「あっえっと、お知らせです!あたし明日カナダに飛びます!」

「そっか。がんばれよ?」

「うん!ありがとう!あたし...」


実紅はほっとしたように頬を染めて微笑むと

急に真剣なまなざしで俺を見上げた。


それに気づいたのか雄介は

「あっ玄関いってるわ~」と教室を後にした。


「あのね、あたし蓮と出会って1年だったけど付き合って...本当に良かったなあって思ってるよ?」

「俺も」

実紅淡々と話す。

「蓮はいつだってあたしを優先してくれて助けてくれて、すっごく頼りになる大切な人だし。それは前も今も変わらない。あたしの留学っていう理由で友達に戻ったわけだけど、あたしは今でも蓮のこと好きです。」


....意外だった。
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