人狼ゲーム


ミシッ……ミシッ……


私はこの音が誰かの足音だとは思わなかった。
ちょうど風も吹いていたので立て付けの悪い校舎の歪みで鳴っているものだと思った。


しばらくして、教室から廊下に出ると、ある人が階段から曲がってくるのが見えた。


それは警備員でなければ生徒でもない。
紛れもない先生だった。
「た…なか?」
たなかとは田中先生の事。保健室の先生と体育の先生をしている。


で、その田中が手に持っているのは
“銃”。
私と田中の距離は大体70mぐらい。この距離でもわかるような大きさだった。


私は壁の出っ張りに体を隠し、
田中に気づかれないようにした。
今頃だが、さっきの音は田中が上の階にいたときに鳴っていた音だったのだろう。


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