サクマドロップス




「おはっ!」

「…はよ。」



彼には恋人がいる。



私とは正反対な、



アクティブ系の可愛らしい女の子。



端から見てもお似合いで、
心臓は今にも脆く溶けてしまいそうになる。



「今日家行くね~。」

「来なくていい~。」



二人は恋人同士。



そして


「都高校まであと2週間だね~。」

「だな。まずは関東突破しような。」

「当たり前!」




互いを高めあうことのできる…
良きパートナー。


彼らはなにか運動をやっている。


夏になれば褐色に肌を染め、
冬になれば白色に肌を彩らせる。



なにをやっているかはわからない。



だけど会話を聞くだけで、
彼らはとても素晴らしい選手なんだと思う。





"次は○○駅~。"





ほら。
あっという間にシンデレラタイムは
終わってしまうの。



彼と同じ空間にいれるのも、
10分にも満たない。




だけどもうひとつだけ、



至福の一時がある。








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