サクマドロップス
すると彼は少し困ったようにはにかんで…
私をじっと見つめ返してきた。
そして…
「…俺、藤原泰誠って言うんだ。」
「っ私…は、佐原真雪と言います。」
「「………よ、ろしく………。」」
彼は私に名前を教えてくれた。
"藤原泰誠"
低いけど聞いていて嫌じゃない掠れた声が、鼓膜から離れていかない。
なんだろう?
この感覚は。
まるで甘いのに時よりさっぱりさを与えてくれる…
黄色いパイン味のような、
そんな感覚。