サクマドロップス




すると彼は少し困ったようにはにかんで…


私をじっと見つめ返してきた。


そして…





「…俺、藤原泰誠って言うんだ。」


「っ私…は、佐原真雪と言います。」


「「………よ、ろしく………。」」





彼は私に名前を教えてくれた。


"藤原泰誠"


低いけど聞いていて嫌じゃない掠れた声が、鼓膜から離れていかない。


なんだろう?


この感覚は。


まるで甘いのに時よりさっぱりさを与えてくれる…


黄色いパイン味のような、



そんな感覚。









< 24 / 38 >

この作品をシェア

pagetop